本日の名言
America was discovered accidentally by a great seaman who was looking for something else; when discovered it was not wanted; and most of the exploration for the next fifty years was done in the hope of getting through or around it. America was named after a man who discovered no part of the New World. History is like that, very chancy.
Samuel Morison
日本語訳
アメリカは、別のものを探していた偉大な航海者によって偶然発見された。それが発見されたとき、誰にも望まれていなかった。そして、その後50年間のほとんどの探検は、アメリカを通過するか回避する目的で行われた。アメリカという名前は、新世界のどの部分も発見していない人物にちなんで付けられた。歴史とはそういうものであり、大変不確実なものだ。
サミュエル・モリソン
構造分析
この英文は、複数の節で構成された複文です。
- America was discovered accidentally by a great seaman who was looking for something else
- 主節:「America was discovered accidentally by a great seaman」
- 関係代名詞節:「who was looking for something else」が「seaman」を修飾。
- when discovered it was not wanted
- 副詞節:「when discovered」が「it was not wanted」を修飾。
- most of the exploration for the next fifty years was done in the hope of getting through or around it
- 主節:「most of the exploration…was done」
- 修飾語句:「in the hope of getting through or around it」。
- America was named after a man who discovered no part of the New World
- 主節:「America was named after a man」
- 関係代名詞節:「who discovered no part of the New World」が「man」を修飾。
- History is like that, very chancy
- 主節:「History is like that」
- 補足的表現:「very chancy」。
主な単語の品詞・働きと日本語訳
| 単語 | 品詞と働き | 日本語訳 |
|---|---|---|
| discovered | 動詞(他動詞、述語動詞) | 発見された |
| accidentally | 副詞(修飾語) | 偶然に |
| seaman | 名詞(可算名詞、主語の補語) | 航海者 |
| looking | 動詞(現在分詞、修飾句) | 探している |
| wanted | 動詞(過去分詞、述語動詞) | 望まれる |
| exploration | 名詞(不可算名詞、主語) | 探検 |
| done | 動詞(過去分詞、述語動詞) | 行われた |
| hope | 名詞(不可算名詞、修飾語句) | 希望 |
| getting | 動名詞(修飾句の目的語) | 到達すること |
| named | 動詞(他動詞、述語動詞) | 名付けられた |
| after | 前置詞(修飾語句を導入) | ~にちなんで |
| discovered | 動詞(他動詞、修飾句) | 発見した |
| part | 名詞(可算名詞、目的語) | 部分 |
| New | 形容詞(修飾語) | 新しい |
| World | 名詞(可算名詞、修飾対象) | 世界 |
| history | 名詞(不可算名詞、主語) | 歴史 |
| chancy | 形容詞(補語) | 不確実な |
句動詞、イディオムほか
in the hope of ~: 「~を期待して」というイディオム。
get through: 「通過する」という句動詞。
like that: 「そのようなものだ」という比喩的な表現。
人物と背景
サミュエル・エリオット・モリソン(Samuel Eliot Morison, 1887 – 1976)は、アメリカの歴史学者であり、特に海洋史の研究で名を馳せました。彼はハーバード大学で教鞭を執り、多くの著作を執筆することで、アメリカの歴史学界に多大な貢献を果たしました。
モリソンは、その研究の精密さと物語性に優れた筆致で知られ、特にクリストファー・コロンブスや大航海時代に関する研究が有名です。彼の著作は、学術的な正確性だけでなく、生き生きとした叙述が特徴で、多くの読者を魅了しました。また、第二次世界大戦中には、アメリカ海軍に従軍し、海軍作戦に関する公式歴史を執筆しました。この体験は、彼の歴史研究にも反映されています。
モリソンが活躍した時代は、アメリカが世界的な大国として台頭しつつあった時期であり、その中で彼はアメリカ史の魅力と複雑さを後世に伝える役割を果たしました。彼の視点は、歴史の「偶然性」や「予測不可能性」を強調し、歴史を単なる過去の事実の集積ではなく、人間の経験や選択の物語として捉えるユニークなものでした。
解説
歴史の偶然が紡ぐ物語:アメリカ発見の裏側
「歴史とはそういうものだ、大変不確実なものだ。」サミュエル・モリソンが残したこの言葉は、私たちが抱く歴史のイメージを根底から揺さぶります。歴史は計画通りに進むものではなく、多くの場合、偶然と予期せぬ選択の積み重ねで形作られるものです。その中でも、アメリカ大陸の発見は、まさにこの「不確実さ」を象徴する出来事でした。
アメリカ大陸発見の偶然と皮肉
アメリカ大陸が「発見」されたのは、1492年のコロンブスの航海がきっかけです。しかし、彼の目的地はアジアの富でした。彼は、地球が丸いという知識を基に西への航路を探しましたが、その道中で偶然アメリカに到達しました。この発見は、当初期待された黄金の国でもなく、ただの障害物と見なされるものでした。その結果、発見後50年間の探検の多くは、大陸を「通過する」か「回避する」方法を探ることに費やされました。
さらに皮肉なことに、アメリカという名前は、クリストファー・コロンブスではなく、アメリゴ・ヴェスプッチという探検家にちなんで付けられました。ヴェスプッチは新世界を自身の航海で「発見」したわけではありませんでしたが、その地域が新たな大陸であると認識する理論を提唱しました。この事実は、歴史が単純な因果関係や英雄譚ではなく、予測不可能な要素に満ちていることを示しています。
歴史を動かす偶然の力
歴史を学ぶ際、私たちはしばしば大きな出来事や偉人に焦点を当てがちです。しかし、モリソンの言葉が指摘する通り、歴史の中には偶然性があふれています。運命のように見える瞬間も、後から振り返ると、一連の小さな選択や偶然が積み重なった結果であることがほとんどです。
アメリカ発見のような出来事はその象徴です。もしコロンブスが風向きや資金調達で違う選択をしていたら、アメリカ大陸はもっと後に発見されていたかもしれません。あるいは、全く別の人物が発見者として歴史に名を刻んでいた可能性もあります。このような「もしも」の連鎖が歴史を形作り、私たちが今日享受する現実を生み出したのです。
偶然の中に見出す意味
歴史が偶然に満ちているからといって、それが無意味というわけではありません。むしろ、予測不可能な要素こそが人間の選択や行動の重要性を際立たせます。偶然の出来事に直面したとき、人々がどのように対応し、選択を行うかが、その後の歴史の流れを決定づけるのです。
たとえば、アメリカの発見に続くヨーロッパ諸国の植民地化は、富を求める探検と偶然の発見が引き金となりました。その結果、世界の地図は大きく書き換えられました。しかし、歴史が偶然で動くからこそ、私たちはその中で行われた選択の倫理や影響を深く考えなければなりません。偶然をただの運命と捉えるのではなく、その背景にある人間の意思を見出すことで、歴史により深い理解と意味を与えることができるのです。
まとめ:歴史の偶然から学ぶ
サミュエル・モリソンが強調する「不確実な歴史」とは、偶然の連続としての歴史の本質を的確に表現しています。それは私たちに、歴史を単なる過去の出来事の集積としてではなく、人間の選択や偶然が織り成す物語として捉える視点を提供してくれます。
アメリカ発見の背後にある偶然と選択の物語は、現代に生きる私たちにも多くの教訓を与えてくれます。計画通りにいかない人生の中で、どのように行動し、選択するかが未来を形作るということです。歴史の不確実性を受け入れることで、私たちは過去から学び、未来への新しい可能性を見つける力を得ることができるのではないでしょうか。
関連資料
(確認中)
