本日の名言
The law is not a “light” for you or any man to see by; the law is not an instrument of any kind. The law is a causeway upon which, so long as he keeps to it, a citizen may walk safely.
Robert Bolt
日本語訳
法律は、あなたや他の誰かがそれによって見通すための『光』ではなく、いかなる種類の道具でもありません。法律とは、市民がそれを守る限り、安全に歩むことができる通路なのです。
ロバート・ボルト
構造分析
この英文は、法律の本質を説明するための三部構成となっており、否定的説明から肯定的説明へと展開されます。
- 文1: The law is not a “light” for you or any man to see by.
- 主語: The law(法律)
- 動詞: is not(~ではない)
- 補語: a “light” for you or any man to see by(あなたや他の誰かがそれによって見通すための『光』)
- 修飾語句「to see by」は不定詞で、「光」の具体的な機能を限定しています。
- 文2: The law is not an instrument of any kind.
- 主語: The law(法律)
- 動詞: is not(~ではない)
- 補語: an instrument of any kind(いかなる種類の道具でもない)
- 文3: The law is a causeway upon which, so long as he keeps to it, a citizen may walk safely.
- 主語: The law(法律)
- 動詞: is(~である)
- 補語: a causeway(通路)
- 修飾語句: upon which, so long as he keeps to it, a citizen may walk safely(市民がそれを守る限り、安全に歩むことができる)
主な単語の品詞・働きと日本語訳
| 単語 | 品詞と働き | 日本語訳 |
|---|---|---|
| law | 名詞:主語、不可算 | 法律 |
| light | 名詞:補語、不可算 | 光 |
| man | 名詞:修飾語句内の目的語、可算 | 男性 |
| see | 動詞:目的不定詞、他動詞 | 見通す |
| instrument | 名詞:補語、可算単数 | 道具 |
| kind | 名詞:修飾語句内の目的語、可算 | 種類 |
| causeway | 名詞:補語、可算単数 | 通路 |
| keeps | 動詞:述語、他動詞 | 守る |
| citizen | 名詞:主語、可算単数 | 市民 |
| walk | 動詞:述語、自動詞 | 歩む |
| safely | 副詞:動詞を修飾 | 安全に |
句動詞、イディオムほか
- to see by: 「それによって見通すための」という目的を示す不定詞。法律を『光』と定義する目的を否定する表現です。
- so long as he keeps to it: 「それを守る限り」という条件表現。法律の遵守が安全を確保する鍵であることを強調しています。
人物と背景
ロバート・ボルト(Robert Bolt, 1924 – 1995)はイギリスの劇作家、脚本家であり、人間の倫理的な選択の重要性を鋭く描いた作品で知られています。マンチェスターで生まれたボルトは、教師としてキャリアをスタートさせた後、創作活動に没頭しました。その結果、彼は近代演劇における重要な存在となりました。
彼の代表作『わが命つきるとも』(1960年)は、宗教的信念と政治的圧力の間で揺れるトマス・モアを主人公に、人間の良心と社会的責任の衝突を描きました。この作品は映画化され、脚本を担当したボルトは国際的な賞を受賞しました。また、映画『アラビアのロレンス』(1962年)や『ドクトル・ジバゴ』(1965年)の脚本では、歴史的な事件や個人の葛藤を通じて社会の深層を探りました。
彼の作品は、個人の信念と社会的な力との葛藤を通じて、人生の選択肢に潜む深い倫理的な意義を問いかけます。ロバート・ボルトの遺産は、現代の倫理的・政治的議論において重要な位置を占め続けています。
解説
法律が守るべきもの
法律とは何か
法律とは何のために存在するのでしょうか。一見すると、それは私たちを縛り付けるルールであり、自由を制限するもののように思えます。しかし、法律の本質は単なる規則や制限ではありません。それは、私たちが安全に、そして秩序を保ちながら社会の中を生きるための基盤なのです。
法律は、目に見える「光」ではありません。それは私たちが道を照らすための道具ではなく、手に取って操作するような道具でもありません。むしろ、法律はその上を歩むための「通路」です。市民がその通路を守り続ける限り、法律は安全を保証し、秩序を保つのです。
通路としての法律
法律が「通路」であるとは、どのような意味なのでしょうか。それは、一人ひとりがその規範を尊重し、守ることで、社会全体の安全と調和を築くということです。通路は私たちを目的地へと導き、安全に進むことを可能にします。しかし、その通路を外れてしまったとき、私たちは混乱の中に足を踏み入れる危険を抱えます。
たとえば、交通ルールを例に考えてみましょう。道を歩く人々や車を安全に動かすために存在するこれらのルールは、まさに通路の役割を果たしています。誰もがそのルールを守ることで、事故や混乱を防ぎ、安全な交通環境を作ることができるのです。
通路としての法律は、個々の市民に自由と秩序を与えます。守られるべき規範があるからこそ、私たちは自信を持って歩みを進めることができます。この「通路」の役割を無視することは、社会全体の混乱を招く可能性を秘めています。
法律の真の目的
法律の本質は、個々の行動を統制するだけではありません。その真の目的は、私たちが善を行いやすくし、悪を行いにくくすることにあります。善行を奨励し、社会全体に前向きな影響を与える仕組みを構築することで、法律は人々を支える存在となります。
これは単なる理論ではありません。実際に社会において、法律は弱者を守るための盾としても機能します。人権を侵害する行為や暴力、搾取などに対抗する法律は、弱い立場の人々を救い、公平な機会を提供することを目指しています。法律は、誰もが平等に扱われる社会を作り出すための基盤となるのです。
また、法律は未来の可能性を示すものでもあります。新しい課題が現れるたびに法律は進化し、適応し続けます。これにより、社会は成長を続け、人々の生活が改善されます。法律の目的は静的ではなく、動的なものであり、変化する社会の中でその意義を保ち続けます。
市民としての役割
法律を通じて私たちに与えられる役割とは何でしょうか。それは、単に法律を遵守することだけでなく、その本質を理解し、積極的にその価値を支えることです。市民としての責任は、通路を正しく歩むことであり、同時にその通路を次世代へと受け継ぐことでもあります。
法律は一方通行のものではありません。私たちが法律を尊重することで、法律もまた私たちを守るのです。この相互関係があるからこそ、社会の秩序と安全が成り立っています。市民一人ひとりが法律の重要性を認識し、その遵守に努めることで、社会全体が調和を保つのです。
まとめ
法律はただの規則や道具ではありません。それは市民が安全に歩むための「通路」であり、善行を奨励し、悪行を抑制する仕組みなのです。通路を守ることは、私たち一人ひとりの責任であり、社会全体の秩序を保つための鍵です。
法律の真の目的を理解し、それを尊重することで、私たちはより良い未来を築くことができます。それは市民としての役割であり、次世代へとその価値を受け継ぐための大切な責務です。この通路を通じて、私たちは安全で調和の取れた社会を実現することができるのです。
