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名言No.156 アンリ・カルティエ=ブレッソン

胸に刻む名言 ~Quotation~ 名言
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本日の名言

We photographers deal in things which are continually vanishing, and when they have vanished, there is no contrivance on earth which can make them come back again.

Henri Cartier-Bresson

日本語訳

私たち写真家は、絶えず消えゆくものを扱っています。そして、それらが消えてしまえば、この地上のどんな手段を用いてもそれを再び取り戻すことはできません。

アンリ・カルティエ=ブレッソン

構造分析

文全体は2つの主要な部分から構成されています:

  1. We photographers deal in things which are continually vanishing,
    • 主語:We photographers(「私たち写真家」)
    • 動詞:deal in(句動詞で「~を扱う」)
    • 目的語:things which are continually vanishing(関係詞節で修飾された名詞)
  2. and when they have vanished, there is no contrivance on earth which can make them come back again.
    • 従属節:when they have vanished(「それらが消えたとき」)
    • 主節:there is no contrivance on earth which can make them come back again
      • 主語:no contrivance(「どんな手段もない」)
      • 述語動詞:is(存在を示す)
      • 修飾語句:on earth(場所を示す)
      • 関係詞節:which can make them come back again(「それらを再び取り戻すことができる」)

主な単語の品詞・働きと日本語訳

単語品詞と働き日本語訳
photographers名詞(可算複数)、主語 We を修飾写真家
deal動詞(自動詞)、述語動詞扱う
in前置詞、動詞 deal を補完~の中で
things名詞(可算複数)、目的語もの
which関係代名詞、名詞 things を修飾~する
are動詞(be動詞、省略)~である(省略)
continually副詞、動詞 vanishing を修飾絶えず
vanishing動詞(現在分詞)、述語動詞消えゆく
when接続詞、時を示す従属節を導く~するとき
have助動詞、動詞 vanished を修飾~してしまった
vanished動詞(自動詞)、述語動詞消えた
contrivance名詞(可算)、主語手段
on前置詞、場所を示す~の上に
earth名詞(不可算)、前置詞の目的語地球
make動詞(他動詞)、述語動詞作る
them代名詞(目的格、省略)それら(省略)
come動詞(自動詞)、目的語の動作を示す来る
back副詞、動詞 come を修飾戻る
again副詞、動詞 come back を修飾再び

句動詞、イディオムほか

deal in:「~を扱う」という句動詞で、写真家が対象を職業的に扱うことを示しています。

come back again:「再び戻る」という表現で、何かが元の状態に復元されることを意味します。

人物と背景

アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson, 1908 – 2004)はフランスの写真家で、「決定的瞬間」の概念を提唱した人物です。彼は、人々の日常や歴史的な瞬間をリアルかつ詩的に捉える写真で知られています。また、写真ジャーナリズムの父とも呼ばれ、報道写真に芸術的価値を与えました。この言葉は、写真が時間と共に消え去る瞬間を永遠に保存する手段であるという彼の哲学を物語っています。

解説

写真という永遠のアート

「私たち写真家は、絶えず消えゆくものを扱っています。そして、それらが消えてしまえば、この地上のどんな手段を用いてもそれを再び取り戻すことはできません。」この言葉を語ったのは、「決定的瞬間」という概念で世界中の写真家に影響を与えたアンリ・カルティエ=ブレッソンです。その言葉には、写真家としての使命感と、時間の儚さに対する深い洞察が詰まっています。

時間の流れと写真の役割

私たちが生きる世界は、常に変化し、動き続けています。一瞬一瞬が過ぎ去り、二度と同じ光景を見ることはできません。カルティエ=ブレッソンの言葉は、写真がその瞬間を永遠に閉じ込める力を持つという真実を語っています。写真家は、人生の中で二度と起こり得ない瞬間を捕まえる芸術家であり、それを未来に残すという崇高な役割を担っています。

たとえば、夕日に照らされた家族の団らんや、雨の中で傘を差し掛ける恋人たち—これらは一瞬の出来事ですが、それを写真として残すことで、人々はその瞬間に戻ることができます。しかし、もしその瞬間が写真として捉えられなければ、それは永遠に消え去ってしまうのです。

決定的瞬間の哲学

カルティエ=ブレッソンが広めた「決定的瞬間」という言葉は、写真家がシャッターを切るそのタイミングの重要性を象徴しています。すべての要素が完璧に調和し、一つの物語を形成する瞬間を逃さずに捉えること。それが写真家の本質的な仕事です。

彼の哲学には、観察力と敏捷性、そして直感が不可欠だとされています。写真家は、カメラを通して世界を観察し、その中から美しい秩序を見つけ出します。それは簡単なことではありませんが、彼らの情熱と努力が、私たちに感動をもたらす作品を生み出してくれるのです。

写真が持つ感情と記憶の力

写真が感動を与える理由は、それが単なるビジュアルである以上に、感情と記憶を呼び覚ます力を持っているからです。一枚の写真を見るだけで、私たちはその場の匂いや音、感情をありありと思い出すことができます。たとえば、古い家族写真を見ると、その瞬間の思い出や、写真に写っている人々との絆が蘇ってくるでしょう。

しかし、この感情的な力は、写真家がその瞬間を正確に捉えることができたからこそ生まれるものです。彼らの仕事は、ただの技術ではなく、私たちの記憶や物語を未来へと紡ぐアートなのです。

消えゆくものへの敬意

カルティエ=ブレッソンの言葉には、時間の流れに対する敬意と、その中で生きる人間への温かい眼差しが感じられます。写真家の使命は、単に美しいものを撮るだけでなく、その背後にある物語や感情を捉えることです。

この言葉が示唆するのは、写真家が扱うのは単なる被写体ではなく、人生そのものだということです。消えゆくものを捉えるという行為を通じて、彼らは時間と戦い、その儚さを永遠に保存しようとしているのです。

私たちの生活における写真の意味

写真は、プロの写真家だけのものではありません。現代では、私たち一人ひとりがスマートフォンを通じて「写真家」となることができます。日常の中で心を動かされた瞬間を写真として残すことで、私たちはその瞬間を未来に残すことができます。

たとえば、子どもの初めての一歩や、美しい自然の風景、友人との大切な時間—これらを写真に収めることで、人生の貴重な断片を保存し、それを共有することができます。そして、その写真を見るたびに、私たちはその瞬間に戻り、感動を再び体験することができるのです。

写真が紡ぐ未来

カルティエ=ブレッソンの言葉は、写真が単なる記録以上のものであることを教えてくれます。それは、瞬間を永遠にするアートであり、時間に抗い、物語を後世に伝える力を持っています。

私たちもまた、日々の生活の中で、自分が目にした一瞬一瞬に敬意を払い、それを写真という形で未来へとつないでいくことができます。写真が私たちに与えてくれる感動と記憶は、決して消えない宝物です。その宝物を紡ぐために、私たちはシャッターを切り続けるのではないでしょうか。