本日の名言
It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.
Antoine de Saint-Exupery
日本語訳
正しく見ることができるのは心によってのみです。本当に大切なものは目には見えません。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
構造分析
この英文は、以下の構造に分かれています。
- 文1: “It is only with the heart that one can see rightly.”
- 構造: 強調構文(It is ~ that…)
- 主語: “It”(形式主語)
- 強調部分: “only with the heart”(心によってのみ)
- 実際の主語と述部: “one can see rightly”(人は正しく見ることができる)
- 構造: 強調構文(It is ~ that…)
- 文2: “What is essential is invisible to the eye.”
- 主語: “What is essential”(本質的なもの)
- 動詞: “is”(~である)
- 補語: “invisible to the eye”(目には見えない)
主な単語の品詞・働きと日本語訳
| 単語 | 品詞と働き | 日本語訳 |
|---|---|---|
| only | 副詞・”with the heart” を修飾 | ~だけ |
| with | 前置詞・”the heart” を導く | ~によって |
| heart | 名詞(不可算名詞)・前置詞 “with” の目的語 | 心 |
| that | 接続詞・強調構文 | ~ということ |
| one | 名詞(可算名詞)・主語 | 人 |
| can | 助動詞・可能性を表す | ~できる |
| see | 動詞(他動詞)・述語 | 見る |
| rightly | 副詞・動詞 “see” を修飾 | 正しく |
| what | 関係代名詞(主語)・”is essential” を導く | ~なもの |
| essential | 形容詞・補語 | 本質的な |
| invisible | 形容詞・補語 | 見えない |
| to | 前置詞・”the eye” を導く | ~に |
| eye | 名詞(可算名詞)・前置詞 “to” の目的語 | 目 |
句動詞、イディオムほか
only with the heart: 強調構文の中で「心によってのみ」を強調する表現。
what is essential: 関係代名詞「what」を用いて「本質的なもの」を表すフレーズ。
invisible to the eye: 「目には見えない」という比喩的な表現で、表面的に捉えられない本質を意味します。
人物と背景
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery, 1900 – 1944) は、フランスの作家であり、飛行士としても知られています。彼の代表作『星の王子さま(Le Petit Prince)』は、哲学的で感動的な物語として世界中で愛されています。
サン=テグジュペリは、南フランスのリヨンに生まれ、幼少期から冒険心と創造性を育みました。若い頃に航空技術に魅了され、やがて郵便航空のパイロットとしてキャリアを積みます。その経験は、彼の作品にも大きな影響を与え、飛行にまつわる危険や孤独、地球と宇宙の広大さが彼の文学に反映されています。
特に彼の作品では、人間の絆や本質的な価値がテーマとして繰り返し描かれます。『星の王子さま』では、大人の世界の複雑さや無意味さを批判しながら、純粋な心の大切さを訴えています。
1944年、第二次世界大戦中に偵察任務で飛行中、地中海上空で消息を絶ちましたが、その短い生涯の中で彼の哲学は永遠に語り継がれています。
解説
心で見る世界の美しさ
「正しく見ることができるのは心によってのみです。本当に大切なものは目には見えません。」――この言葉は、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』から生まれた、人々の胸に深く響くメッセージの一つです。物語の一部であるにもかかわらず、この言葉は書籍の枠を超え、人生そのものへの普遍的な教えとして語り継がれています。
現代社会では目に見えるもの、つまり物質的な価値や数字、結果が重視されがちです。しかし、このサン=テグジュペリの言葉は、私たちが忘れがちな「見えないもの」に目を向ける大切さを教えてくれます。本当に重要なのは、数字では測れず、形として触れることもできない――心で感じ、見つけることができるものなのです。
目に見えないものが示す豊かさ
目に見える成功、目に見える豊かさ――これらは現代社会の中で求められる目標のように感じられます。例えば、高価な車や豪邸、大企業での地位など、一見するとそれらは「成功」を象徴しているかのように思えます。しかし、それらを手にした先に、本当の幸せがあるのでしょうか?
サン=テグジュペリは、物語を通じて本質的な問いを投げかけています。「目に見えないもの」とは、友情、愛情、思いやりといった感情や、人生を豊かにする心のつながりのことを指しています。これらは直接手で触れることはできませんが、私たちの存在に深い意味を与え、目に見えるものよりもはるかに大きな力を持つのです。
心で見るとはどういうことか
「心で見る」とは、直感や感情、他者への共感を通じて、物事の本質を見つめる行為です。それは目の前にある物質や結果だけで判断するのではなく、その背景にある意図や価値、さらには人間らしさを理解することを意味します。
たとえば、友人から贈られたシンプルな手紙。一見すると、ただの紙とインクですが、その手紙には言葉以上の思いが込められています。そこにはその人が時間を割き、考え、感情を注ぎ込んだ形跡があり、それを心で見つめることでその価値が広がります。こうした心での視点を持つことが、私たちの生活をより豊かにしてくれるのです。
サン=テグジュペリの人生が教えるもの
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ自身の人生もまた、彼のこの言葉の信念を反映しています。彼は航空パイロットとして、地球の広大さや宇宙の果てしなさを体験しました。荒野や星空の下を飛ぶ経験は、彼に人間の小ささと同時にその美しさを考えさせるものでした。
彼が『星の王子さま』で描いた「目に見えないもの」が人生の核心であるという考え方は、彼自身が孤独や危険な状況を経験する中で、より強く刻まれたものです。彼の作品は、目に見えるものだけでは測れない価値観を私たちに伝えようとしています。
目に見えないものを大切にする日々
日常の中で、私たちが目に見えないものを意識することはどれほどあるでしょうか?忙しさに追われ、結果や効率を求める毎日では、それらを見過ごしてしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、小さな瞬間に目を向けること、それこそが人生を深く豊かにする秘訣です。
家族と過ごすささやかな時間、友人の気遣い、自然の中で感じる穏やかな風――これらの価値を認識することが、「心で見る」ことの第一歩です。そして、目に見えないものに感謝し、それを尊重することで、日々の幸福感が高まります。
まとめ
「本当に大切なものは目には見えない」というサン=テグジュペリの言葉は、私たちの生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれます。目に見える成功や豊かさも大切かもしれませんが、それ以上に重要なのは心が感じ取る価値――つまり、愛情、つながり、感謝といった目には見えないものにあります。
これからの日々の中で、ぜひ「心で見る」練習をしてみてください。そして、その視点を大切にすることで、人生の中で本当に重要なものを見つけ出してください。サン=テグジュペリの言葉が、その道の羅針盤となるはずです。
